先日サイコドラマというワークショップに参加しました
私が体験したのは自分の印象に残った映画の一場面を演じる「思い出シアター」
記憶に浮かび上がってきたのは、昔家族で見に行った
銀河鉄道の夜。登場人物がなぜか猫なのですが、群青を基調とした
幻想的で美しいアニメ映画でした。
子ども心に、もの哀しさと怖さを少し感じたのを覚えています。
私が選んだ場面は、銀河鉄道で旅してきたカンパネルラとジョバンニが
別れてしまう場面です。2人きりになってもずっと一緒に旅していこうと言う
ジョバンニを残し、カンパネルラが突然いなくなってしまいます。
カンパネルラは逝ってしまう。
ジョバンニには理解できず、声を振り絞って叫びます。
「カンパネルラーーッ!!!!!」
この場面を演じたとき、「あぁこれだ」という思いと一緒に
涙があふれ出してきました。大切な人と病室で別れた場面。
そっと封印して、家族も自分も誰も触れなかった記憶。
演じ終えてみると、ジョバンニと共に体験した銀河鉄道の旅路=
生から死への旅と別れは、子どもの頃とはまた違ったように感じられました。
もの哀しさは変わりませんが、怖さが不思議とないのです。そして何か
解放されたような気がしました。
この映画を一緒に見ていた頃、家族が全員いたあの頃に戻りたいと願いつつも、
子ども時代の私に向かって今言いたいのは、「怖くはないし、大丈夫だ」ということ。
絶叫していた自分に向かって言いたいのは、「恥ずかしくないし、それでいい」ということ。
不思議な体験でした(青)